実は「どっちも花王」。
メンズコスメ2大ブランドの完璧すぎる棲み分け戦略
ドラッグストアのメンズコスメコーナーで、必ずと言っていいほど隣り合っている「メンズビオレ」と「ニベアメン」。
実はこの2つ、どちらも花王グループが展開しているブランドだということをご存知でしょうか。なぜ同じ会社が、ライバルに見える2つのブランドを同時に展開しているのか?そこには、我々男たちの心理を巧みについた、驚きの戦略が隠されていました。
「脂のビオレ」と「潤いのニベア」
花王は、ターゲットとする「男性の悩み」を真逆に設定することで、市場を独占しています。その棲み分けは、まさに「攻め」と「守り」の関係です。
図:悩み別に設計された花王のブランドポートフォリオ
メンズビオレ
ターゲット:「脂・テカリ・汚れ」を落としたい男性
部活帰りや仕事終わりの「ベタつき」を徹底リセット。洗顔もボディソープも「スッキリ・爽快」にすることがゴールです。
Amazonでラインナップを見るニベアメン
ターゲット:「乾燥・カカつき・老け見え」を防ぎたい男性
大人の肌を整える「身だしなみ」。ドイツ発祥の知見を活かし、徹底した「保湿・保護」をゴールとしています。
Amazonでラインナップを見るなぜ「メンズビオレ」には乳液がないのか?
ラインナップをよく見ると、メンズビオレには乳液やリップクリームがありません。これは「ビオレ派の男性」を徹底的に分析した結果だと思われます。
【理由:ベタつきへの徹底した拒絶】
ビオレを選ぶ男性はとにかく「ベタつき」を嫌います。彼らにとって、乳液やクリームを塗る行為は「せっかく洗顔でスッキリしたのに、また肌をベタつかせるもの」という認識になりやすく、売れにくいのです。
その代わり、ビオレは「浸透化粧水」など、水のようにサラッとした使い心地のアイテムを極めています。この潔いまでのラインナップ構成こそが、ビオレブランドのアイデンティティなのです。
ニベアメンは「大人の階段」の受け皿
10代〜20代はビオレでゴシゴシ洗っていた男性も、30代になると「あれ、洗顔後に肌が突っ張るな…」と気づき始めます。花王は、そんな彼らが他社ブランドへ流れないよう、よりリッチな潤いを与える「ニベアメン」という受け皿を完璧なタイミングで用意しているのです。
合理的すぎる「リップ」の配置
ニベアは世界的なリップ・クリームの権威。わざわざメンズビオレでリップを作る必要はなく、ニベアブランドに集約させています。このあたり、花王のブランドポートフォリオ戦略の冷徹なまでの合理性が光ります。
学生時代はビオレにお世話になり、大人になったらニベアへ。俺たちは知らず知らずのうちに花王の手のひらで転がされているのかもしれません。
……でも、それが一番失敗しない道だったりするんですよね。